終了いたします

細々とつけていた読書記録でしたが、今後はブクログに移行いたします。
今まで見てくださった方がいらっしゃいましたら、厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
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  # by wordworm | 2014-07-18 14:29

読書記録:2014年5月

ポール・マイヤーズ 「死のアリア」

エスピオナージ!という感じのスパイ小説。この手の作品を読むのは久しぶりで楽しかった。
冷戦終了後、スパイの仕事は別になくなったわけではないだろうけど、エンタメ分野では結構限定されてしまった感はあり。ジェームズ・ボンドも老いたし。
なので、その類に触れたければ、昔の作品を読み直すことが多いのだけど、娯楽としては本当に楽しい分野なんだよね。


魔法使いにキスを

シャンナ・スウェンドソン 「魔法使いにキスを」

大好きなシリーズ、とうとう第七弾。これはマジカル・ファンタジー・ロマンチック・コメディーと名づけられるみたいだけど、私からすればとにかく「チャーミング」の一言に尽きる。
可愛くて健気で、大人のユーモアたっぷりで。安心してハラハラ・ドキドキできて、ページを繰る手が止まらない上、何回読み直しても飽きないの。
ラストシーンからして、セカンドシーズンはこれで終わりということなのか、それともシリーズそのものがこれで終了か、気になるところ。


アン・マキャフリイ 「竜の反逆者」

パーンの竜騎士シリーズ、第7弾。
最初の方にセラが出てきたので、まさかこんな極悪女が主役!?と驚いたが、そうではなかったので一安心。
外伝を含めた今までのストーリーを別の視点から見たという内容も多く、まいったな、またイチから読み直しか、と思って、しかも読んでしまう自分って。こんなに昔から好きで読んでいるのに、まだ読み直さなきゃいけない自分って。
神様、一回読んだら二度と忘れない記憶力をください。あ、三回ぐらいでもいいです。


ゴッサムの神々 ゴッサムの神々2

リンジー・フェイ 「ゴッサムの神々」(上下)

19世紀以前の英国ミステリーが大好きなのだが、これは米国NY。NY市警が始めてできた時のお話で、実は今までなかったらしい。ロンドン警察の話はいっぱいあるのにね。
上巻は楽しみつつもゆっくりペースだったのだけど、下巻に入ってからぐんぐんとスピードアップ。これですむはずないとは思っていたけど、期待通りに面白かった。
事件の真相自体はそれほど、と言っても、それは現代ミステリーが猟奇性その他に富むようになってしまったからであって。それをクラシックという形ではなく、ちゃんと読ませてくれたのが嬉しい。
切ないエピソードも数々あったけど、読後感はかなり爽やかで、次作がすでに楽しみだ。


アーサー王の墓所の夢

アリアナ・フランクリン 「アーサー王の墓所の夢」

お気に入りの女医アデリア・シリーズ、第3弾。中世イングランド、修道院、十字軍と、私の好きなものばかり詰まってるシリーズ。
今回も面白かったけど、謎解きの面白さというより、ちょっと昼メロ風味。まあ、良くも悪くも本能が大きな割合を占めていた時代であったわけだから。
ラストが非常に不穏で「以下次号」的だったので、次作をどきどきしながら待つこととする。つか、次が最後って悲しすぎる……


黄金のランデヴー

アリステア・マクリーン 「黄金のランデヴー」

父の長年の愛読書と聞いて購入。海外のスパイ物やミステリーと、好きな分野が一緒なわりに、微妙に好みがずれている我々だけど、良いと思うものはかなり一致してるんだな。
マクリーンといえば映画化も多数の人気作家だけど、意外と読んだ数は少なくて。だけどこの本で集めちゃおうかと思ってしまうぐらいに、わくわくと面白かった。
日本での発行が70年代ぐらいだから、原作が書かれたのは一体何年前? それでも褪せることなく魅了されてしまうのは、さすがの力量。
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  # by wordworm | 2014-06-19 10:22

読書記録:2014年4月

亡国の薔薇 亡国の薔薇2

イモジェン・ロバートスン 「亡国の薔薇」(上下)

前作がちょっと期待と違っていたので、どうしようかと迷ったけれど、結局手に取った。で、正解だったと喜んだ。まあ、今度は勝手な思い込みがなかったので。
カストラートという題材を使ったのも面白く、更に充実した内容を楽しんだ。
それにしても、この2人がどうこうなることはないだろう、と思っていたら、可能性が出てきてしまったではないか。しかもこれ、次に続く謎が出てきたし。


高い塔の男

フィリップ・K・ディック 「高い塔の男」

第二次大戦で枢軸国側が勝っていたら、というパラレルワールド的なストーリーは結構好きで、何冊か読んでいたけど、ディックの手にかかるとこうなるか、と改めて力量を思う。
ジャンルとしてはSFに入れられているけれど、なんというか、やや幻想的な別世界フィクション。”易”が重要なファクターになっているのが、またなんとも。


惑星カレスの魔女

ジェイムズ・H・シュミッツ 「惑星カレスの魔女」

楽しくほのぼのな感じのスペースオペラ。ハードSFからはすっかり離れてしまったけど、軽めのSFなら今でも歓迎。
ついてない感いっぱいだった船長が、まさかこんな幸運(?)に恵まれるとは。
人にはふさわしい居場所があるんだ、と笑顔で読み終えた作品。


アンネ・フランクの記憶

小川洋子 「アンネ・フランクの記憶」(Kindle版)

ご自身がご本の中で言ってらっしゃったように、これは記録や調査ではなく、個人的な旅行エッセイ。もっと深く掘り下げることを勝手に期待していた私には、結構肩透かしを食らった気分。
淡々とした穏やかな語り口、そして優しい視点が、小川さんらしくて良いのだけど。
これ以上の掘り下げは、逆に無理だったかと思われる事情もあったので、致し方ないことか。


追撃の森

ジェフリー・ディーヴァー 「追撃の森」

ディーヴァーといえば、「大どんでん返し」。この作品でも、それは何度か発揮されてて、そのたびに、おおお、と。
なので、いつも通りに楽しめたのだが、ううむ、最後はこうきたか。ちょっと蛇足的な、でも必要な、という感じの終わり方、だったかな。


踊る骸

カミラ・レックバリ 「踊る骸」

シリーズものの第5弾。前作の最後に謎が出てきて、以下次号、という形だったので、楽しみに手に取った。
まさかナチがなあ、と思ったものの、実は最近多く出版されている北欧ミステリーには、かなりの割合で人種問題や極右、戦時中のドイツとの関係について出てくるんだよね。
理想の国ように日本では語られがちな北欧諸国だけど、決してそんな甘いもんじゃない。その辺りがどう報道されているのか、余談ながら気になった。
本編には、楽しみにしていた分は十分に満足させてもらった。相変わらずの軟派感(?)は承知済み。
果たして続きはあるのかどうか? 解説には書いてなかったんだよな。


あたしと魔女の扉

ジャスティーン・ラーバレスティア 「あたしと魔女の扉」

うーん、悪くはないんだが、ちょっと期待はずれ。もっと濃いストーリーかと思っていたもんで。
三部作の一巻目なのだけど、確かに物語の三分の一しか語ってない感ありありなので、続きは気になるのだけど、それでまた期待はずれだったら悲しいしなあ、と悩んでおく。
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  # by wordworm | 2014-05-21 03:37

読書記録:2014年3月

グレイソン攻防戦 グレイソン攻防戦2 

デイヴィッド・ウェーバー 「グレイソン攻防戦」(上下)

前作がとても面白かったので、続けて2巻目を購入したのだけど、前作以上にハードで、ちと参った。
や、相変わらず本格スペースオペラで良かったのだけど、個人的に非常に辛い描写がね……ということで、まだまだ続刊はあるものの、ちょっと間を置いてみる。
改めて、私のスペースオペラ好きの原点はキャプテン・フューチャーにあるのだな、と今更ながら考える。


殺しの迷路

ヴァル・マクダーミド 「殺しの迷路」 

警部キャロルと心理分析官トニーのシリーズ、第3弾。これも↑と同様の描写はあるのだけど、覚悟していた分、まだマシか。
前作での事件もまだ片がついていないような状態で起こる連続殺人に、余計にハラハラ。
それにしてもプロファイラーって、なんて辛い職業というか何というか。自分自身の心の闇を掘っていって、異常な相手にシンクロして、尚且つ健全でいるべきなんて、どうしたって不可能な気がしてしまう。
できないわけじゃない、でも、そう思って立ち向かうには、そのリスクの大きさは途轍もない。


流れ行く者

上橋菜穂子 「流れ行く者-守り人短編集」 

大好きな「守り人」シリーズの外伝短編集。初めて知ったバルサやタンダの幼少、そして10代の生活と思い。
かわいそうに、と感じるようなものではない。現代に生活する私がそう考えて良いものでも決してない。
ただ、こういう中で生きていたらどうだっただろう、と考えずにはいられない形がそこにある。


 ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る

ゲイル・キャリガー 「ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る」 

「アレクシア女史」シリーズで楽しませてくれたキャリガー、新シリーズの翻訳。といっても、実はアレクシア女史の世界の一世代前の話なので、吸血鬼やドローンや狼男の設定はそのままだ。
ヴィクトリア風でハーレクインっぽい味つけは変わらずで面白かったのだけど、ちょっと尻切れトンボっぽいというか、むしろまだまだ導入部というか。4部作だそうなので、これは続きを待たねばなるまいな。


  ダークエンジェル 

メレディス・アン・ピアス 「ダークエンジェル」 

お薦めファンタジー、と何箇所かで見かけたので買ってみた。私の求めている傾向とは違ったけれど、それなりに楽しませてもらったよ。
幻想的な描写が多く、整理して捉えるのが難しい部分もあって、いまだに私の思ったので良かったのかどうか、な話であったが、クライマックスは理屈抜きにわくわくしながら読んだ。
これも続刊を読まないと何とも、らしいのだが、残念ながら邦訳はない模様。


  氷の娘 

レーナ・レヘトライネン 「氷の娘」 

こちらも前作が面白かったので、続刊も入手。ソチオリンピックの頃に読んだ、フィギュアスケートのミステリー。(おおっ)
スポーツの世界に絡むストーリーではあるのだけど、そちらの闇というわけではなく、やっぱりここでも人間ドラマ。
産休目前のマリアの個人的葛藤ももう一本の線となっていて、その辺りの繊細さがこのシリーズの魅力の一つだろう。終わった後の切なさが、良い意味で女性らしくて好ましい。

*-*-*-*-*-*-*-*-*

有川浩の「図書館戦争」シリーズも全巻読んだのだけど、これは別途感想を書く予定。(つまり未定……)



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  # by wordworm | 2014-04-19 08:48

読書記録:2014年1~2月

書く暇がなかったーーー、と言いたいけど、サボってた感7割。(潔く)
ということで、2ヶ月分まとめての読書記録。
全部は書き切れないので、何冊か選んでの抜粋版。


特捜部Q-カルテ番号64-

ユッシ・エーズラ・オールスン 「特捜部Q-カルテ番号64-」

相変わらず、「面白い!」。ページ数も増しているのに、ページをめくる手が止まらないまま、最後まで一気読み。
扱う事件も登場人物も、どこか浮世離れしているというか、こういう事件が起こりうるのか、と信じきれない残酷さ。同時に、こういうことをしてもおかしくない、と感じる適度な現実感。
それはどこか、戦争史を調べている時に覚える気持ちと重なる。
ひたすらに、次作が楽しみでならないシリーズ。


失われた地平線

ジェイムズ・ヒルトン 「失われた地平線」

有名な小説なのに、あらすじなどは良く聞いていたのに、未読であった本。改めて「シャングリ・ラ」について知りたくて、手に取った。
なるほど、と読みながらも、最後まで何が”真実”なのかはわからない。そして、”その後”もわからない。
その終わり方こそふさわしい、と思わせてくれるストーリーが、不思議に嬉しい。


ボストン、沈黙の街

ウィリアム・ランディ 「ボストン、沈黙の街」

ミステリーとしても、小説としても、とても良くできた本。これがデビュー作と聞いて驚いた。
親との葛藤、地域コミュニティーとの軋轢、目隠しをされているようなもどかしさの中で、着実に歩を進めていく過程が、王道的に面白い。


永久に刻まれて

S・J・ローザン 「永久に刻まれて」

お気に入りのシリーズ、今度は短編集。短編でも、あの乾いたクリアーな文調は変わらず。
登場するたびに苦笑してしまうリディアのお母さんが活躍する作品が、異色的に面白い。
胸が痛くなる少年の話の後味を、わずかながらでもぬぐってくれる。


バッドタイム・ブルース

オリヴァー・ハリス 「バッドタイム・ブルース」

フロスト警部シリーズの表紙絵を描かれている村上かつみさんの絵に惹かれて、ジャケ買いに近い買い方であったのだけど、これまた読んで良かった本。
それこそフロストと重なる主人公ニックに、哀れみを覚えながら読んでいたら、それが完全に見くびりであったことを思い知らされる。
ハラハラのどんでん返しが続く中に、ほろりとさせられる温かさ。好きな話だなあ、としみじみ。


罪の段階 罪の段階2

リチャード・ノース・パタースン 「罪の段階」(上下)

法廷ミステリーを読みたくて選んだ本。読んだ後で知ったけど、シリーズ物の中の1作らしい。
前作を読んでいたら、また違った受けとめ方になったであろうと思うと、結構残念。つまり、前作の内容に対して、ええええ、と思うような仕掛けが大切な要素になっているからであって。
まあ、そういうことを置いておいても、十分に面白い。いやはや、ほんとに弁護士って、頭が良くなきゃなれないわ。


嘘つきのララバイ

メグ・ガーディナー 「嘘つきのララバイ」

いくらなんでもジェットコースターすぎないか?という気がしないでもなかったが、まあ、いつも通りに楽しませてくれた。ハリウッド映画を文字起こししたような。
そういうインパクトが中心になった話なので、アドレナリンを求めて読むのに向いている。
悪く言えば、情緒や込んだ謎を求めて読む話ではない、という。


スーツケースの中の少年

レナ・コバブール&アニタ・フリース 「スーツケースの中の少年」
そういうことだったか、と納得。それは大げさな筋立てではないけれど、丁寧にきちんと書かれていて、好感が持てた。
最後の種明かし(?)に、おお、となる。それがいつも彼女の底にあったのだな、と。
解説がないので、今後があるかどうかわからないけど、次につながってもおかしくはないラスト。
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  # by wordworm | 2014-04-06 09:55

読書記録:2013年12月

ムーンズエンド荘の殺人

エリック・キース 「ムーンズエンド荘の殺人」

雪の山荘版「そして誰もいなくなった」という宣伝に惹かれて買ってみた。
うーん、やっぱりオリジナルというか最初は強いわけで。クリスティーを読んだ時の衝撃には到底及ばず。
加えて、「そして誰も…」を読んだ後の数十年で、いろんなミステリーのパターンを読んでしまっているからなあ。
でも、それを差っ引いても、もうちょっとインパクトが欲しかった、という作品。


迷宮の淵から

ヴァル・マクダーミド 「迷宮の淵から」

お気に入りシリーズの著者であるマクダーミド、これは単発のノンシリーズミステリー。
複雑に入り乱れる事件と伏線も見事だし、登場人物も魅力的。骨太で勢いのある内容は、さすがの力量である。
完全にすっきり、という読後感ではなかったにしても、ラストの一文の「こうしてすべての幕が降りた」に十分納得。一番気になっていたことにきっちりと言及してくれたことに感謝する。


金星特急 外伝

嬉野君 「金星特急 外伝」

大好きなライトノベル、とうとう最後の最後。
アマチュアの頃からずっと応援している作家さんだけど、プロとしてこれだけのものを書かれるところ、ファンとして感無量。(勝手に)
外伝として、本編で語られなかったサイドストーリーや、その後の話が揃っていて、金星特急の世界がこれで完成形になったのだが。揃ってから見てみれば、改めて本当に素敵な世界の物語だったなあ、としみじみ胸が熱くなる。
嬉野先生の次の作品が待ち遠しくてたまらない。


夜明けのフロスト

R・D・ウィングフィールド、他 「夜明けのフロスト」

クリスマスを題材にした短編ミステリー集。大好きなフロスト警部シリーズの短編が読めるということで買ってみたが、他の作品も佳作揃いで楽しめた。
ナンシー・ピカードの作品が入ってたのは嬉しい驚き。やっぱり上手いなあ、と唸ってしまう。
フロスト警部は期待に違わず。短編として見事なまとまり方、と思った後で、考えてみれば長編も、短編が幾つか集まっているような形ではあるのだな。そういう意味では本領発揮(?)と言っていいのかも。


新艦長着任! 新艦長着任!2

デイヴィッド・ウェーバー 「新艦長着任!」(上下)

久々にスペースオペラを読みたくなって、クラシックなこのシリーズに手を出してみた。
当初の予想より、ずっと奥が深かったというか、シリアスな物語。でもエンターテイメント要素も満載で、とても楽しめた。
舞台は宇宙でも、繰り広げられる核にあるのは人間ドラマ。オナー・ハリントンの苦悩と決断に一喜一憂しながら、SFの世界を満喫できる。
これは続きも買う。買う。


死を哭く鳥

カミラ・レックバリ 「死を哭く鳥」

3作目まで読んだミステリーなんだけど、4作目の今作の評判がイマイチだったので、ずっと買っていなかった。ようやく読んでみて、その評価が当たっているところもあり、面白いと思ったところもあり、という感じ。
シリーズなので主人公達のドラマも楽しみの一つであるわけだけど、確かに今回はエリカの活躍がなく、残念な感はある。が、ラストで、こうくるか。
次を買わなきゃどうしようもないなー、と思いつつ、どうか期待はずれに終わらないように、と願うばかり。


㈱貧困大国アメリカ

堤未果 「㈱貧困大国アメリカ」

「アメリカとは」という本に手を出す気はなかったのだけど、こちらに関してはぜひ読んでみたくて購入。
三部作の最後は、アメリカの食品関連業界の話がメイン。ある程度は予想していたが、データと共に更に厳しい現実を突きつけられて、頭を抱えるばかり。
1% vs 99%。この事実を悲しいと思い、またそう思う余裕のある自分を責めてしまうのが、この手の本を読む上で覚悟していなければならないこと。
1・2作目も読みたいが、読んだところでどうすれば、という思いもまた。
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  # by wordworm | 2014-01-21 09:31

読書記録:2013年11月

ケイト・グリーン 「砕けちった月」

ブッ○オフで見つけて買ってみた。
霊能力のテレサが幻影で死体を発見し、以降次々と、という筋立てなので、タトットカードとか透視とか、その類のことに沿って展開されるストーリーは、ちょっと好みからずれてたか。
最後の最後まで繰り返されるどんでん返しで、どきどき・はらはら度は高し。でも、後味すっきり、とはなぜかいかなかったな。


ダークサイド

ベリンダ・バウアー 「ダークサイド」

前作「ブラックランズ」と同じ村で起こる悲劇。今度は別の主人公だけど、前の主人公のスティーヴンも少しだけ出てきて、彼のその後を知ることができたのは、思いがけないごほうび。
で、前作もそのケはあったけど、更に”ダーク”な今作。まさかね、え、ち、違うよね、なんてわなわなしながら読んでいたら、やられた……と打ちのめされてしまったよ。
救いがないような気もしながら、それでも読んで良かったと思わせるバウアーの力量に、再度感服。


脳のシワ

養老孟司 「脳のシワ」

月に1冊、養老先生。(え)
いつもの通り、時事的な事柄や科学的な疑問について、淡々と語ってくださる本。
多くのことについて、「先生らしい」と思って拝読してしまう理解と説得力がさすがです。


冬のフロスト 冬のフロスト2

R・D・ウィングフィールド 「冬のフロスト」(上下)

大好きなフロスト警部シリーズ。今回も人手不足の中、あれもこれもと押し寄せる事件に大奮闘。
下品で粗野で、でもあったかいフロスト、ほんとに好きだー。
思い込みや勘違いも多いけど、それでも最後には違わない、彼の”勘”。落ち込みつつ、自分を責めつつ、それでもユーモアを忘れない。
あと長編の未訳は一つ残っているだけか……早く読みたいやら、まだまだ先であってほしいやら。


消滅した国の刑事

ヴォルフラム・フライシュハウアー 「消滅した国の刑事」

2003年のドイツが舞台。東西統一から長く経ってないが故にありうる悲劇。
ナチスについてもそうだけど、どれだけ多くの人が心身に傷を負っているのかと思うと遣り切れない。子供の頃の傷でさえ癒えるのに数十年かかったりするのに、大人になってからのパラダイムシフトが、そう簡単に落ち着くわけがない。
心から責められない犯罪を扱ったミステリーは沢山あるけれど、これもまたその一つ。


世界樹の影の都

N・K・ジェミシン 「世界樹の影の都」

前作「空の都の神々は」から続いているのだけど、これまた別な主人公。でも前作で人の身に堕ちたイテンパスが主役級の一人。
良くできたファンタジーだなあ、とまた思う。魔法が荒唐無稽にならない描写に安心する。
それは、神はやっぱり神として描いているところに理由があるのかも。


ファーザーランド

ロバート・ハリス 「ファーザーランド」

ナチが大戦で勝利していたら、というパラレルワールドでのミステリー。歴史ミステリーが大好きな反面、実はこういうのも好きで、少しずつ読んでいるところ。
いくらパラレルのフィクションといっても、史実をきちんと押さえていないと意味がなく。きちんとした架空歴史が説得力のあるストーリーを生んでいる。
ラストについては賛否両論であるようだし、私も完全満足とはいかないけれど、それでもアリではある。ある。(言い聞かせ中)


殺人交叉点

フレッド・カサック 「殺人交叉点」

読んでみて、うわあ、やっぱりフランスのミステリー、とちょっと脱力。
や、面白いんだけど、斬新なんだけど、ほんとにフランスだね、と言わずにいられないのが、フランス産ミステリー。(しつこい)
中篇2作の本なので、適度なところで終われるのも良し。
そういえば先日、フランスミステリーが世界に広まりにくい理由みたいなブログ記事を読んだけど、あー、わかるなー、と思ったんだよね。映画もそうだけど、なんと表現したらいいのかわからない、独特のストーリー運びやキャラ&背景描写がね。
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  # by wordworm | 2013-12-18 04:15

読書記録:2013年10月

百番目の男

ジャック・カーリイ 「百番目の男」

シリーズの2・3巻を先に読んで面白かったので、遅ればせながら1巻目を手に取った。
先々の為の伏線や謎を巧みに配しながら、これはこれで、そうか!と納得して読まされてしまう力量。
そして先を読んだ時に、ええっ!? と驚かされるという仕組み。
続刊もまた発行されたので、着実に追っていきたいシリーズの一つ。


チャーチル閣下の秘書

スーザン・イーリア・マクニール 「チャーチル閣下の秘書」

コージーかな、と思って読み始めたら、良い意味で予想外に面白かった本。
戦時下で、しかもまだまだ女性の地位が低い時代、才気煥発であるがゆえに苦しい主人公。でも時代だけじゃない、過去の絡みやあれこれも。
なんだかスパイアクション的な要素も出てきて、ちょっと不安な面もありつつ、でも続きが楽しみ。


フリーファイア

C.J.ボックス 「フリーファイア」

どうしようかなー、と思いつつ、続きを読んでしまうジョー・ピケット猟区管理官のシリーズ、6巻目。
何が辛いって、正義を貫いているが故に不遇な身に追い込まれる主人公の境遇。カウボーイの常道ではあるのかもしれないが。
今作でもそれは続いていて、更なる悪役とか、唯一の味方のピンチとか。
またセッショウなところで終わってしまったので、これまた続刊を買わずにはいられないんだろう。


涼しい脳味噌

養老孟司 「涼しい脳味噌」

養老先生のエッセイも、何冊目になることか。
おっしゃっていることはずっと変わらないし、文調も変わらないのだけど、それが元々好きだから、やっぱり手に取ってしまうのだな。ブッ○オフで105円だったしな。(台無し)
それでもあちらこちらに散りばめられた、はっと気づかされる一言や、知らなかった知識のカケラ達。
何回でも安心して読めて、長く少しずつ読みたい本ばかり。


八方破れの家

ジル・チャーチル 「八方破れの家」

さすがにダレ気味?と思っていたシリーズだけど、今作でちょっと今後の展開が楽しみになったかも。
といっても、本筋のミステリーの方ではないのが申し訳ないが。
謎解きの方は、むしろ今作はかなりヘタレ級。相変わらずの会話やキャラクターの魅力で読ませてはくれるんだけどね。


八百万の死にざま

ローレンス・ブロック 「八百万の死にざま」

ハードボイルドの代名詞のような古典の第一作。
昔に買って、何度も読んでから手放したのだけど、また読みたくなって買ってしまったの。
切なくて、タフで、強くて、ハードボイルドの要素が全部詰まってる。というより、このシリーズがあったから、ハードボイルドがこういうイメージになったのかも、と思うくらい。
改めてシリーズをそろえてみようかな、と考え中。


ロゼアンナ

マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー 「ロゼアンナ」

なんでこの本を買ってみようと思ったのか思い出せないのだけど、淡々と読めて面白かった本。
コイツが犯人か、と思ってみたら、全然違ったりして、するりするりと流れていくストーリー。
私が10歳にならない頃の発行と知って驚いた。
北欧ミステリーが話題になっている昨今だけど、まずはこちら在りきであったのだな、と実感。


白雪姫には死んでもらう

ネレ・ノイハウス 「白雪姫には死んでもらう」

前作がすごく面白くて、続きの翻訳を楽しみにしていたシリーズ。
また切なくて遣り切れない出来事の連続で、読み進むのに力がいるのだけど、それでも読ませてしまうところが、改めてさすがと思う。最後は、身体も心も痛くなる。
主人公の境遇も含めて、また続刊を楽しみに、じりじりと待つ。

*-*-*-*-*-*-*-*-*


村上もとか 「JIN―仁― 」全13巻

TVドラマでも話題になった原作、なんで今頃、なのだけど、友人が貸してくれて大喜びで読破。
村上氏の作品はかなり昔から好きなわりに、これはまだ買ってなかったんだよね。
真っ直ぐで気恥ずかしいところもあるぐらいなのだけど、優しい古臭さがいつも好き。
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  # by wordworm | 2013-11-25 10:52

読書記録:2013年9月

九十歳の誕生パーティ

レスリー・メイヤー 「九十歳の誕生パーティ」

主婦探偵ルーシーのシリーズ、第9弾。
もう読まなくていいかな、と思いつつ、読んでみると、コージーとしてはそれなりにしっかりした筋立てになっているので、ついついまた次も買ってしまうんだな。
私の好きな脇役キャラのミス・ティリーが大変なことになる今作。今までで一番犯人がわかりやすかったというか、これミステリー?というぐらいに単純で腰砕け。
むしろ、ミス・ティリーがどうなるか、というドラマ的な方が重点だったのか?
それでも、それなりに楽しく読ませるのはさすが。


貧乏お嬢さま、メイドになる

リース・ボウエン 「貧乏お嬢さま、メイドになる」

大好きな、ちょっと昔のロンドンを舞台にしたミステリー。
英国王族でありながら貧乏なジョージーの奮闘記でもあるが、彼女の世慣れなさと、逆に妙に世間を知っているところが面白い。
大変なのに、決してめげない。投げ出さないノブレス・オブリージュ。こういうのを読むたび、好きだなあ英国、としみじみしちゃったり。
タイトルの「メイド」シーンがあまりなかったが、新しいコージーとして、ぜひ次作以降も翻訳してほしい。


お菓子の家

カーリン・イェルハルドセン 「お菓子の家」

またまたスウェーデンミステリー。ショーベリ警視シリーズの初翻訳。
緻密に仕立てられた筋立て、入り組む登場人物で、読み応え十分。最後でやられ、最後の最後でまたやられる、という仕掛け。
子供の凄惨ないじめが多数出てきて、そういう部分は相当辛かった上、ラストもハッピーとは程遠い。
のだけど、良いミステリーに会った、という充実感は大したもの。


偽りの街

フィリップ・カー 「偽りの街」

最近なぜか「ハードボイルドを読みたい」気分に駆られて、古い本を読み返したり、ちらほらと買ってみたり。
その中の1冊のこちらは、ナチ党独裁時のベルリンが舞台で、ユダヤ人への迫害ぶりや戦時中の重苦しい空気に眉をしかめっぱなしなのだけど、さすがにファンが多い作品だけあって、期待したハードボイルドのラインを楽々越えてくれた。
……んだけど私に限っては、最後の方のレ○プシーンで全て台無し。これがあっただけで、大抵の作品は再読できなくなるどころか、本を見るのも辛くなってしまうんだな……(ということで、お蔵入り)


アイスクリン強し

畠中恵 「アイスクリン強し」

畠中さんの本もご無沙汰してるよなあ、と思って、ついつい買ってしまった「若様組」シリーズ。
明治になったばかりの江戸ならぬ東京で、処遇に困って警官になった華族の若様達&洋菓子店を開いた真次郎達の活躍ぶり。
ほのぼのシリーズで、重い人間ドラマなどは一切ないのだけど、文明開化の混乱振りや、育ちの良い若者達の逞しさが楽しい。
何より、ビスキットやアイスクリン、チヨコレイトなどの西洋菓子が美味しそうったら。スイーツブームの原点ここに在り、でヨダレモノ。


メモリー・コレクター

メグ・ガーディナー 「メモリー・コレクター」

心理検死官ジョー・ベケットのシリーズ、第2弾。今度は記憶障害を起こす恐ろしい菌の感染騒ぎに挑む。
すごくアメリカらしいサスペンス、アメリカらしい主人公&キャラクター達。アクションあり、銃あり、カーチェイスありで、娯楽に徹しているのを素直に受け入れて、素直にきゃー・わー、と楽しめる。
ただ、菌の感染現場が飛行機内で、しかも感染したアテンダントが狂って、ドアを開けて機外に飛び出してしまうシーンがあるのだけど、これを読んだのが日本行きの飛行機内だった我が身の不幸ぶりが……


チェーザレ ルネサンスの女たち わが友マキアヴェッリ

総領冬実 「チェーザレ」 1~10巻
塩野七生 「ルネサンスの女たち」 
       「わが友マキアヴェッリ」


番外編的になるけれど、友人から借りた「チェーザレ」が面白いのなんのって。ルネサンスあたりが大好物な私のハート、ど真ん中ストライク。(死語)
ついつい塩野さんの本も読み返しちゃったよ、という記録。
それにしても10巻出るのに10年かかってて、しかもまだチェーザレは学生のままですよ……取材にそれだけ時間をかけているということだそうで、またそれだけの出来になっているのは素晴らしいのだが。
これは一体いつ終わりになるのだろう。どうか「ガラスの仮面」化だけは避けてほしい。(切実)
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  # by wordworm | 2013-10-19 10:02

読書記録:2013年8月

未読本がなくなってしまって、大変飢えていた月。
友人が色々貸してくれたので、なんとか生き延びた。(ぜえはあ)


虚偽証人

リザ・スコットライン 「虚偽証人」(上下)

リーガルミステリーでは、安定して好きなスコットライン。今作も女性弁護士が健気にがんばる設定で。
これで収まるか、と思いきや、ひっくり返される展開が続いて、最後まで目が離せなかった秀作。
あれこれ事件と人が絡み合って、これまた安定した面白さ。


冬の生贄

モンス・カッレントフト 「冬の生贄」(上下)

また新しい北欧ミステリー。女性警部補が活躍・葛藤する。
差別や悲しい過去が幾層にもなっていて、辛いながらも引き込まれて一気読み。
理想の国のように言われていた北欧が、決してそうではないということを、北欧ミステリーを読んで知らされるばかり。
それにしても北欧ミステリーが多く翻訳される昨今のブーム、ちょっと危惧しないでもない。
きっともっといろんな作品があるだろうに、「日本の読者はこれが好き」と決めてかかって、一部の作品しか訳していなかったらどうしよう、みたいな。


首斬り人の娘

オリヴァー・ペチュ 「首斬り人の娘」

大好物の歴史ミステリー。17世紀のドイツで、処刑史とその娘、若い医者が奮闘する。
時代ゆえの無知・偏見がもたらす社会の混乱、個人の運命の変遷は歯がゆいばかりだが、同時にその中で生きる人々の姿の逞しさと本能とエネルギーに、見習うべきものも感じずにはいられない。
まだもたらされない知恵と、その頃だからこその知恵の対比が面白い。


紳士の黙約

ドン・ウィンズロウ 「紳士の黙約」

前に読んで面白かった「夜明けのパトロール」の続編。またブーン&仲間の活躍が読める、と嬉しくて飛びついた。
期待に裏切らない面白さで、今回も一気読み。
義理と人情と正義感、そしてその中で生ききる勇気。下手な心理描写を入れないところが、更に良い。
ソッコーで前作を読み返し、その後でまた今作を読み返しても、面白さは変わらず。


神話の力

ジョーセフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ 「神話の力」

読み終わるのにどれだけかかったの、というぐらいに、長く読み続けた本。
神話学者のキャンベル博士とジャーナリストのモイヤーズ氏との対談なのだけど、1ページどころか1行あたりの情報量が凄過ぎて、1章だけでも何冊もの本に値する。
キャンベル博士もすごい方なのだろうが、インタビュアーのモイヤーズ氏の知識量がすさまじくて、だからこそ充実した本になっているという、この上ない見本。
神話・民話が大好きな私にとって、こたえられない一冊。もっと若い時に読んでいたら、進路が変わっていたかもなあ。


孤独のチカラ

齋藤孝 「孤独のチカラ」

友人から借りた本。齋藤氏はTVでは何度か見たものの、本を読むのは初めて。
人生の中で一度でも限りない孤独の時期を体験するのが必要、と著者の体験から語っている。
TVで見た氏からは想像しにくい自己像や過去に、ちと驚く。平易な文章で読みやすい。


乱鴉の島

有栖川有栖 「乱鴉の島」

犯罪学者の火村氏が探偵のシリーズ、こちらは長編。
孤島で起こる殺人というありがち設定、登場人物もある意味典型的で、軽い読み物として読む用。


容疑者Xの献身

東野圭吾 「容疑者Xの献身」

人気作家の東野氏の、人気のガリレオシリーズの長編。
なんだけど、ううむ、やっぱり日本のミステリーは苦手である。
最後のどんでん返しも切なくて、これはファンも多かろう、と思うのだが、なんだろうなあ。
締めの甘さ、いや、全体的な詰めや構成の甘さ・卑近さが、読み応えを感じさせにくいのかも。
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  # by wordworm | 2013-09-15 10:02

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