書く暇がなかったーーー、と言いたいけど、サボってた感7割。(潔く)
ということで、2ヶ月分まとめての読書記録。
全部は書き切れないので、何冊か選んでの抜粋版。
ユッシ・エーズラ・オールスン 「特捜部Q-カルテ番号64-」
相変わらず、「面白い!」。ページ数も増しているのに、ページをめくる手が止まらないまま、最後まで一気読み。
扱う事件も登場人物も、どこか浮世離れしているというか、こういう事件が起こりうるのか、と信じきれない残酷さ。同時に、こういうことをしてもおかしくない、と感じる適度な現実感。
それはどこか、戦争史を調べている時に覚える気持ちと重なる。
ひたすらに、次作が楽しみでならないシリーズ。
ジェイムズ・ヒルトン 「失われた地平線」
有名な小説なのに、あらすじなどは良く聞いていたのに、未読であった本。改めて「シャングリ・ラ」について知りたくて、手に取った。
なるほど、と読みながらも、最後まで何が”真実”なのかはわからない。そして、”その後”もわからない。
その終わり方こそふさわしい、と思わせてくれるストーリーが、不思議に嬉しい。
ウィリアム・ランディ 「ボストン、沈黙の街」
ミステリーとしても、小説としても、とても良くできた本。これがデビュー作と聞いて驚いた。
親との葛藤、地域コミュニティーとの軋轢、目隠しをされているようなもどかしさの中で、着実に歩を進めていく過程が、王道的に面白い。
S・J・ローザン 「永久に刻まれて」
お気に入りのシリーズ、今度は短編集。短編でも、あの乾いたクリアーな文調は変わらず。
登場するたびに苦笑してしまうリディアのお母さんが活躍する作品が、異色的に面白い。
胸が痛くなる少年の話の後味を、わずかながらでもぬぐってくれる。
オリヴァー・ハリス 「バッドタイム・ブルース」
フロスト警部シリーズの表紙絵を描かれている村上かつみさんの絵に惹かれて、ジャケ買いに近い買い方であったのだけど、これまた読んで良かった本。
それこそフロストと重なる主人公ニックに、哀れみを覚えながら読んでいたら、それが完全に見くびりであったことを思い知らされる。
ハラハラのどんでん返しが続く中に、ほろりとさせられる温かさ。好きな話だなあ、としみじみ。
リチャード・ノース・パタースン 「罪の段階」(上・下)
法廷ミステリーを読みたくて選んだ本。読んだ後で知ったけど、シリーズ物の中の1作らしい。
前作を読んでいたら、また違った受けとめ方になったであろうと思うと、結構残念。つまり、前作の内容に対して、ええええ、と思うような仕掛けが大切な要素になっているからであって。
まあ、そういうことを置いておいても、十分に面白い。いやはや、ほんとに弁護士って、頭が良くなきゃなれないわ。
メグ・ガーディナー 「嘘つきのララバイ」
いくらなんでもジェットコースターすぎないか?という気がしないでもなかったが、まあ、いつも通りに楽しませてくれた。ハリウッド映画を文字起こししたような。
そういうインパクトが中心になった話なので、アドレナリンを求めて読むのに向いている。
悪く言えば、情緒や込んだ謎を求めて読む話ではない、という。
レナ・コバブール&アニタ・フリース 「スーツケースの中の少年」
そういうことだったか、と納得。それは大げさな筋立てではないけれど、丁寧にきちんと書かれていて、好感が持てた。
最後の種明かし(?)に、おお、となる。それがいつも彼女の底にあったのだな、と。
解説がないので、今後があるかどうかわからないけど、次につながってもおかしくはないラスト。