読書記録:2012年9~10月

ずっと読んでいるシリーズの新刊が多い、今回の記録。

解錠師

スティーヴ・ハミルトン 「解錠師」

口がきけない、プロの金庫破りの青年、マイク。
犯罪というより、彼を突き動かす、解錠への情熱と征服欲、そしてアメリアへの情動。
辛くて切ない、上質なサイレント映画をずっと見ているような、青春小説のような秀作。


枯れ騒ぎ

ジル・チャーチル 「枯れ騒ぎ」

ずっとずっと大好きで読んでいる、主婦が主役のコージーも、とうとう12弾目。
年月を経るにつれての家族模様もとても好きなのだけど、さすがに今回は勢いが薄れた感あり。
というより、毒が薄まった感、かな。脇役も影が薄かったし。
それでも、13弾以降を楽しみにする気持ちは変わらず。


大穴

ディック・フランシス 「大穴」「利腕」「敵手」「再起」

女王陛下の騎手・フランシスによる競馬シリーズのうち、珍しく4作も主役を務めたシッド・ハレー。
ふとしたことで目にとまり、続けて全作読んでみた。面白い!の一言。
久しぶりに菊池氏の訳を読むと、映画字幕の基礎は戸田さんが作ったように、翻訳ミステリーの基礎は菊池さんだったのかなあ、としみじみ思わせられた。
カタカナの和製英語全盛前の訳と思われるかもしれないが、私にとっては一番しっくり来る言葉も多くあり、原点を見た感が味わえた。


スリー・パインズ村と警部の苦い夏

ルイーズ・ペニー 「スリー・パインズ村と警部の苦い夏」

コージーとは言いたくない、かなり本格のこのシリーズは、また重い人間関係を扱いつつ、でもガマシュ警部の深い人柄に支えられている。
ありきたりの情景であっても、誰も目に留めない、誰かの毒をさらりと盛り込む描写がクセになる。


雨の浜辺で見たものは

ジェイニー・ボライソー 「雨の浜辺で見たものは」

これがシリーズ最終作ということで、ジャックとはどうなるのかをとても楽しみにしていたのだけど、
なんと作者の訃報が原因だったのね……
空回り的な、でも温かい終わり方で、変わらずとても良かったのだけど、これが最後というのは切なすぎる……


マーガレット・モズリイ 「ほんの小さな殺人」

暴力夫を殺害して以来、それを隠して生きていくボニータのその後の人生を、ハラハラしながら見守っていくストーリー。
ラストがこういう形で良かった、とほっとした後、その瞬間まで気が抜けなかった自分に気がついた。


シャーロック・ホームズの愛弟子

ローリー・キング 「シャーロック・ホームズの愛弟子」

これだけの名作でありながら、実はちゃんと読んだことのないホームズ物。
しかも、こんな二次創作のような作品を先に読んでしまって、ごめんなさい。>ホームズ氏
別シリーズで好感を持った作家の作品だけあって、力強いストーリー展開が楽しめる。
スーパーヒーローが成立しえた時代に合わせただけあって、時代錯誤感は否めないけれど。


風神秘抄

荻原規子 「風神秘抄」(上・下)

荻原規子さんと上橋菜穂子さんのファンタジーは大好きで、ほぼ全作読んでいる。はず。
こちらは源平時代を舞台に、大きな力を持った少年と少女の邂逅を軸にしているのだけど、
またまた爽やかに苦悩・恋愛・動乱・決意が描かれていて、素直に楽しめた。


はた迷惑なウェディング

レスリー・メイヤー 「はた迷惑なウェディング」

子供達の成長も楽しめる主婦コージーシリーズは、こちらも同様の第8弾。
突飛な人物に振り回されるのも同様かも。アメリカの主婦って大変だ。(激違)
兼業ママは辛いんだよ、忙しいんだよ、理解してやれよ旦那、とついつい主人公のルーシーを贔屓する。
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  by wordworm | 2012-11-14 04:13

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