読書記録:2013年5月

日本人の矜持

藤原正彦 「日本人の矜持」

大好きな藤原先生の、9人の方々との対談集。斉藤孝氏、曽野綾子氏、佐藤優氏、ビートたけし氏などの名前を見て、即行で手に取った本@ブック○フ。
聞き手に徹するのではなく、藤原先生もガンガン自説を述べるので、各氏との掛け合いが面白い上、そういうことを考えていらっしゃる方々なんだ、という発見も沢山。
日本の小説は苦手なくせして、エッセイや対談は好きなんだよなあ、やっぱり。


特捜部Q-キジ殺し

ユッシ・エーズラ・オールスン 「特捜部Q -キジ殺し-」

シリーズ1作目が本当に面白くて、2・3作目を一気購入。勢いが落ちるかな、という危惧はなんのその、事件の面白さもさることながら、キャラがまた一段パワーアップして、目が離せないったら。
事件は残虐で後味も悪いのだけど、それでもぐいぐいと引きつけられて読んでしまうのは、決して怖いもの見たさではない、と思うのだ。


特捜部Q-Pからのメッセージ

ユッシ・エーズラ・オールスン 「特捜部Q -Pからのメッセージ-」

3作目も、しみじみ、すごいのだ。なんていうか、迷路にはまり込んで周囲が見えなくなるミステリー。
迷路の壁や方向に気を取られているうちに、その一本向こう側で着実に進んでいる、という感じ。
アサドだけでも十分謎なのに、ローセは一体何者と思えば良いのだろう。
カールの恋の行方も家庭内のあれこれも、とにかくとにかく、密着していくしかないシリーズだ。


策謀と欲望

P・D・ジェイムズ 「策謀と欲望」(上下)

80年代の女流ミステリー作家ブームの時に、重鎮というイメージで君臨していたP・D・ジェイムズ。
看板のダルグリッシュ警視シリーズは数作持っているが、全作集めたい、というほどではなかったのだけど、こうやって時間を置いて触れてみると、やっぱり上手い、渋い、重々しい。英国、という言葉が良く似合う。
原発に反対する村で起こった事件ということで、そんな興味もあって手に取った。
率先してではなくとも、やっぱりたまに著作を集めてみたくなる。


奇跡の脳

ジル・ボルト・テイラー 「奇跡の脳」

脳卒中を起こした脳科学者が、自らの体験をまとめた本。脳卒中を起こしている最中から、その後の回復過程で発見したことなど、その素晴らしい描写と内容に感動せずにはいられない。
人間は一生の間に脳の数%しか使わないそうだが、残りを目覚めさせることができたら、一体どんな世界が待っているのか、と空恐ろしくなるぐらい。
が、脳の使う領域が変わることで、そんな野心なども脱ぎ捨てて、悟りの世界に入り、「幸せ」でいられることができる、というテイラー博士の体験談。
では、懸命に悟りを開こうとしている人々の努力は、結局科学的に操作することができると切り捨てられてしまうものなのか。
様々なことと折り合いをつけるという意味でも、手がかりが多い本である。


濡れた魚

フォルカー・クッチャー 「濡れた魚」(上下)

1929年のドイツ、ヒットラーが台頭していたベルリンが舞台の警察ミステリー。
主人公のラートは、ヒーローからは程遠い存在で、彼の葛藤や苦悩に一喜一憂させられる。途中辛くなって、しばし本を置いたぐらい。
だからこそ、クライマックスからラストにかけて、読んで良かった、という感を非常に強くさせられた。
シリーズ物だそうなので、次作の翻訳が待ち遠しい。


雪の女

レーナ・ヘトライネン 「雪の女」

北欧ミステリーが次々に翻訳されているけれど、こちらのその中の一つ。
フィンランドを舞台にした警察小説。巡査部長のマリアが主人公。
北欧ミステリーには面食らうというか、え、ここでこうくるの?という描写が多いのだが、それは単にアメリカと英国のミステリーを読み慣れているせいであって、各国それぞれのミステリーがあるのだなあ、と当たり前のことを今更に発見中。日本って、ほんとに良い国だなあ……翻訳本の数は、きっと世界一。
この本もとても面白くて、マリアの淡々と着実な捜査が心地良い。女性ならではの事件と、女性ならではの共感あってこその解決が見られる。
こちらも、続きが楽しみなシリーズ。


たのしいムーミン一家

トーベ・ヤンソン 「たのしいムーミン一家」

なんで今頃、なのだけど、あまりに昔に読んだきりなので、中年になった今、どういう風に感じるかなあ、と思って読んでみた。
もうアニメの内容もほとんど忘れてしまったけれど、オリジナルはやっぱり別物。どこか枯れたような雰囲気や、白夜がきっとたまらなく嬉しいだろう、という想像は、オリジナルだからこそ感じるもの。
アニメのスナフキンに憧れた友人達は多いけれど、オリジナルのスナフキンはどうだろう。


裏庭

梨木香歩 「裏庭」

友人に借りた本。
「秘密の花園」、と思いきや、もっと現代版というか、期待していたようなファンタジー色は薄かった。
それは、ちょっとした言葉使いや文章に、そう思わせるものが時々見うけられたから。
日本人のくせして、どうも日本の小説に入り込むのが難しいのだけど、梨木さんの本は好き。
期待していたものと違っても、最後までゆっくりとページを繰らせてくれるのだ。
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  by wordworm | 2013-06-16 12:17

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