読書記録:2013年8月

未読本がなくなってしまって、大変飢えていた月。
友人が色々貸してくれたので、なんとか生き延びた。(ぜえはあ)


虚偽証人

リザ・スコットライン 「虚偽証人」(上下)

リーガルミステリーでは、安定して好きなスコットライン。今作も女性弁護士が健気にがんばる設定で。
これで収まるか、と思いきや、ひっくり返される展開が続いて、最後まで目が離せなかった秀作。
あれこれ事件と人が絡み合って、これまた安定した面白さ。


冬の生贄

モンス・カッレントフト 「冬の生贄」(上下)

また新しい北欧ミステリー。女性警部補が活躍・葛藤する。
差別や悲しい過去が幾層にもなっていて、辛いながらも引き込まれて一気読み。
理想の国のように言われていた北欧が、決してそうではないということを、北欧ミステリーを読んで知らされるばかり。
それにしても北欧ミステリーが多く翻訳される昨今のブーム、ちょっと危惧しないでもない。
きっともっといろんな作品があるだろうに、「日本の読者はこれが好き」と決めてかかって、一部の作品しか訳していなかったらどうしよう、みたいな。


首斬り人の娘

オリヴァー・ペチュ 「首斬り人の娘」

大好物の歴史ミステリー。17世紀のドイツで、処刑史とその娘、若い医者が奮闘する。
時代ゆえの無知・偏見がもたらす社会の混乱、個人の運命の変遷は歯がゆいばかりだが、同時にその中で生きる人々の姿の逞しさと本能とエネルギーに、見習うべきものも感じずにはいられない。
まだもたらされない知恵と、その頃だからこその知恵の対比が面白い。


紳士の黙約

ドン・ウィンズロウ 「紳士の黙約」

前に読んで面白かった「夜明けのパトロール」の続編。またブーン&仲間の活躍が読める、と嬉しくて飛びついた。
期待に裏切らない面白さで、今回も一気読み。
義理と人情と正義感、そしてその中で生ききる勇気。下手な心理描写を入れないところが、更に良い。
ソッコーで前作を読み返し、その後でまた今作を読み返しても、面白さは変わらず。


神話の力

ジョーセフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ 「神話の力」

読み終わるのにどれだけかかったの、というぐらいに、長く読み続けた本。
神話学者のキャンベル博士とジャーナリストのモイヤーズ氏との対談なのだけど、1ページどころか1行あたりの情報量が凄過ぎて、1章だけでも何冊もの本に値する。
キャンベル博士もすごい方なのだろうが、インタビュアーのモイヤーズ氏の知識量がすさまじくて、だからこそ充実した本になっているという、この上ない見本。
神話・民話が大好きな私にとって、こたえられない一冊。もっと若い時に読んでいたら、進路が変わっていたかもなあ。


孤独のチカラ

齋藤孝 「孤独のチカラ」

友人から借りた本。齋藤氏はTVでは何度か見たものの、本を読むのは初めて。
人生の中で一度でも限りない孤独の時期を体験するのが必要、と著者の体験から語っている。
TVで見た氏からは想像しにくい自己像や過去に、ちと驚く。平易な文章で読みやすい。


乱鴉の島

有栖川有栖 「乱鴉の島」

犯罪学者の火村氏が探偵のシリーズ、こちらは長編。
孤島で起こる殺人というありがち設定、登場人物もある意味典型的で、軽い読み物として読む用。


容疑者Xの献身

東野圭吾 「容疑者Xの献身」

人気作家の東野氏の、人気のガリレオシリーズの長編。
なんだけど、ううむ、やっぱり日本のミステリーは苦手である。
最後のどんでん返しも切なくて、これはファンも多かろう、と思うのだが、なんだろうなあ。
締めの甘さ、いや、全体的な詰めや構成の甘さ・卑近さが、読み応えを感じさせにくいのかも。
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  by wordworm | 2013-09-15 10:02

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