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「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

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J.K.ローリング著、松岡祐子訳
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
静山社 (2006/5/17)
ISBN-13: 978-4915512575


第6巻の日本語版。
ハリポタは原書で読んでいるが、日本語は日本語で楽しみたくて揃えている。訳のイメージが違うところはあっても、それはそれで楽しめるし、訳者の工夫が色々とわかって面白い。

で。日本語で読み直してみたけれど。
どうしたって、あの悲劇は変わらないのだね……(さめざめ)
なんか、自分で自分の傷口に塩をぬったくったような気がしたよ。これが正しい自虐プレイ。

最新のローリングのインタビューによると、最終の7巻では、さらに主要人物が2人死ぬらしい。ハリー自身もどうなるかわからないらしい。
寄せられる感想は賛否両論様々だが、少なくとも1巻を読んだ時点で、このような展開を予想した人はほとんどいなかったのではなかろうか。成長に伴う痛みと言っても、ハリーの場合は並大抵という言葉を遥かに超えたものであるからね。

今回ハリーが失ったものは、少年期の終わりを目前にした彼に最後の一押しを与えるものであったとはいえ、その苦痛と悲哀は計り知れない。
が、そこでハリーは、いよいよ真の意味で、自分の手で自分の運命を切り開く決意を固めることになる。終わりの方は涙なしには読めないが、そんなハリーへの誇らしさが最後に救ってくれる。

しかし、本当に次巻の展開は不安の一言。ハリーの肩にかかっているものが多すぎる。戦わねばならないものが膨大だ。それを一体どうやって1巻でまとめきるのか。
万人に諸手を挙げて受け入れられることなど不可能だけど、それでもこれだけの読者を呼んだ小説なのだから、どうかできるだけ多くの人が納得できる結末であるように。
それ以上に、例え一人も賛成しなくても、ローリング自身が後悔のない出来であるように、と願わずにはいられない。どんな作品も、最後まで創り手のものだから。


まあそんなキレイ事は置いといて。
とにかく私たちがまだアメリカにいるうちに7巻が発売されればオールオッケーです。

  by wordworm | 2006-07-06 09:33

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