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読書記録:2014年5月

ポール・マイヤーズ 「死のアリア」

エスピオナージ!という感じのスパイ小説。この手の作品を読むのは久しぶりで楽しかった。
冷戦終了後、スパイの仕事は別になくなったわけではないだろうけど、エンタメ分野では結構限定されてしまった感はあり。ジェームズ・ボンドも老いたし。
なので、その類に触れたければ、昔の作品を読み直すことが多いのだけど、娯楽としては本当に楽しい分野なんだよね。


魔法使いにキスを

シャンナ・スウェンドソン 「魔法使いにキスを」

大好きなシリーズ、とうとう第七弾。これはマジカル・ファンタジー・ロマンチック・コメディーと名づけられるみたいだけど、私からすればとにかく「チャーミング」の一言に尽きる。
可愛くて健気で、大人のユーモアたっぷりで。安心してハラハラ・ドキドキできて、ページを繰る手が止まらない上、何回読み直しても飽きないの。
ラストシーンからして、セカンドシーズンはこれで終わりということなのか、それともシリーズそのものがこれで終了か、気になるところ。


アン・マキャフリイ 「竜の反逆者」

パーンの竜騎士シリーズ、第7弾。
最初の方にセラが出てきたので、まさかこんな極悪女が主役!?と驚いたが、そうではなかったので一安心。
外伝を含めた今までのストーリーを別の視点から見たという内容も多く、まいったな、またイチから読み直しか、と思って、しかも読んでしまう自分って。こんなに昔から好きで読んでいるのに、まだ読み直さなきゃいけない自分って。
神様、一回読んだら二度と忘れない記憶力をください。あ、三回ぐらいでもいいです。


ゴッサムの神々 ゴッサムの神々2

リンジー・フェイ 「ゴッサムの神々」(上下)

19世紀以前の英国ミステリーが大好きなのだが、これは米国NY。NY市警が始めてできた時のお話で、実は今までなかったらしい。ロンドン警察の話はいっぱいあるのにね。
上巻は楽しみつつもゆっくりペースだったのだけど、下巻に入ってからぐんぐんとスピードアップ。これですむはずないとは思っていたけど、期待通りに面白かった。
事件の真相自体はそれほど、と言っても、それは現代ミステリーが猟奇性その他に富むようになってしまったからであって。それをクラシックという形ではなく、ちゃんと読ませてくれたのが嬉しい。
切ないエピソードも数々あったけど、読後感はかなり爽やかで、次作がすでに楽しみだ。


アーサー王の墓所の夢

アリアナ・フランクリン 「アーサー王の墓所の夢」

お気に入りの女医アデリア・シリーズ、第3弾。中世イングランド、修道院、十字軍と、私の好きなものばかり詰まってるシリーズ。
今回も面白かったけど、謎解きの面白さというより、ちょっと昼メロ風味。まあ、良くも悪くも本能が大きな割合を占めていた時代であったわけだから。
ラストが非常に不穏で「以下次号」的だったので、次作をどきどきしながら待つこととする。つか、次が最後って悲しすぎる……


黄金のランデヴー

アリステア・マクリーン 「黄金のランデヴー」

父の長年の愛読書と聞いて購入。海外のスパイ物やミステリーと、好きな分野が一緒なわりに、微妙に好みがずれている我々だけど、良いと思うものはかなり一致してるんだな。
マクリーンといえば映画化も多数の人気作家だけど、意外と読んだ数は少なくて。だけどこの本で集めちゃおうかと思ってしまうぐらいに、わくわくと面白かった。
日本での発行が70年代ぐらいだから、原作が書かれたのは一体何年前? それでも褪せることなく魅了されてしまうのは、さすがの力量。
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  by wordworm | 2014-06-19 10:22

読書記録:2014年4月

亡国の薔薇 亡国の薔薇2

イモジェン・ロバートスン 「亡国の薔薇」(上下)

前作がちょっと期待と違っていたので、どうしようかと迷ったけれど、結局手に取った。で、正解だったと喜んだ。まあ、今度は勝手な思い込みがなかったので。
カストラートという題材を使ったのも面白く、更に充実した内容を楽しんだ。
それにしても、この2人がどうこうなることはないだろう、と思っていたら、可能性が出てきてしまったではないか。しかもこれ、次に続く謎が出てきたし。


高い塔の男

フィリップ・K・ディック 「高い塔の男」

第二次大戦で枢軸国側が勝っていたら、というパラレルワールド的なストーリーは結構好きで、何冊か読んでいたけど、ディックの手にかかるとこうなるか、と改めて力量を思う。
ジャンルとしてはSFに入れられているけれど、なんというか、やや幻想的な別世界フィクション。”易”が重要なファクターになっているのが、またなんとも。


惑星カレスの魔女

ジェイムズ・H・シュミッツ 「惑星カレスの魔女」

楽しくほのぼのな感じのスペースオペラ。ハードSFからはすっかり離れてしまったけど、軽めのSFなら今でも歓迎。
ついてない感いっぱいだった船長が、まさかこんな幸運(?)に恵まれるとは。
人にはふさわしい居場所があるんだ、と笑顔で読み終えた作品。


アンネ・フランクの記憶

小川洋子 「アンネ・フランクの記憶」(Kindle版)

ご自身がご本の中で言ってらっしゃったように、これは記録や調査ではなく、個人的な旅行エッセイ。もっと深く掘り下げることを勝手に期待していた私には、結構肩透かしを食らった気分。
淡々とした穏やかな語り口、そして優しい視点が、小川さんらしくて良いのだけど。
これ以上の掘り下げは、逆に無理だったかと思われる事情もあったので、致し方ないことか。


追撃の森

ジェフリー・ディーヴァー 「追撃の森」

ディーヴァーといえば、「大どんでん返し」。この作品でも、それは何度か発揮されてて、そのたびに、おおお、と。
なので、いつも通りに楽しめたのだが、ううむ、最後はこうきたか。ちょっと蛇足的な、でも必要な、という感じの終わり方、だったかな。


踊る骸

カミラ・レックバリ 「踊る骸」

シリーズものの第5弾。前作の最後に謎が出てきて、以下次号、という形だったので、楽しみに手に取った。
まさかナチがなあ、と思ったものの、実は最近多く出版されている北欧ミステリーには、かなりの割合で人種問題や極右、戦時中のドイツとの関係について出てくるんだよね。
理想の国ように日本では語られがちな北欧諸国だけど、決してそんな甘いもんじゃない。その辺りがどう報道されているのか、余談ながら気になった。
本編には、楽しみにしていた分は十分に満足させてもらった。相変わらずの軟派感(?)は承知済み。
果たして続きはあるのかどうか? 解説には書いてなかったんだよな。


あたしと魔女の扉

ジャスティーン・ラーバレスティア 「あたしと魔女の扉」

うーん、悪くはないんだが、ちょっと期待はずれ。もっと濃いストーリーかと思っていたもんで。
三部作の一巻目なのだけど、確かに物語の三分の一しか語ってない感ありありなので、続きは気になるのだけど、それでまた期待はずれだったら悲しいしなあ、と悩んでおく。
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  by wordworm | 2014-05-21 03:37

読書記録:2014年3月

グレイソン攻防戦 グレイソン攻防戦2 

デイヴィッド・ウェーバー 「グレイソン攻防戦」(上下)

前作がとても面白かったので、続けて2巻目を購入したのだけど、前作以上にハードで、ちと参った。
や、相変わらず本格スペースオペラで良かったのだけど、個人的に非常に辛い描写がね……ということで、まだまだ続刊はあるものの、ちょっと間を置いてみる。
改めて、私のスペースオペラ好きの原点はキャプテン・フューチャーにあるのだな、と今更ながら考える。


殺しの迷路

ヴァル・マクダーミド 「殺しの迷路」 

警部キャロルと心理分析官トニーのシリーズ、第3弾。これも↑と同様の描写はあるのだけど、覚悟していた分、まだマシか。
前作での事件もまだ片がついていないような状態で起こる連続殺人に、余計にハラハラ。
それにしてもプロファイラーって、なんて辛い職業というか何というか。自分自身の心の闇を掘っていって、異常な相手にシンクロして、尚且つ健全でいるべきなんて、どうしたって不可能な気がしてしまう。
できないわけじゃない、でも、そう思って立ち向かうには、そのリスクの大きさは途轍もない。


流れ行く者

上橋菜穂子 「流れ行く者-守り人短編集」 

大好きな「守り人」シリーズの外伝短編集。初めて知ったバルサやタンダの幼少、そして10代の生活と思い。
かわいそうに、と感じるようなものではない。現代に生活する私がそう考えて良いものでも決してない。
ただ、こういう中で生きていたらどうだっただろう、と考えずにはいられない形がそこにある。


 ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る

ゲイル・キャリガー 「ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る」 

「アレクシア女史」シリーズで楽しませてくれたキャリガー、新シリーズの翻訳。といっても、実はアレクシア女史の世界の一世代前の話なので、吸血鬼やドローンや狼男の設定はそのままだ。
ヴィクトリア風でハーレクインっぽい味つけは変わらずで面白かったのだけど、ちょっと尻切れトンボっぽいというか、むしろまだまだ導入部というか。4部作だそうなので、これは続きを待たねばなるまいな。


  ダークエンジェル 

メレディス・アン・ピアス 「ダークエンジェル」 

お薦めファンタジー、と何箇所かで見かけたので買ってみた。私の求めている傾向とは違ったけれど、それなりに楽しませてもらったよ。
幻想的な描写が多く、整理して捉えるのが難しい部分もあって、いまだに私の思ったので良かったのかどうか、な話であったが、クライマックスは理屈抜きにわくわくしながら読んだ。
これも続刊を読まないと何とも、らしいのだが、残念ながら邦訳はない模様。


  氷の娘 

レーナ・レヘトライネン 「氷の娘」 

こちらも前作が面白かったので、続刊も入手。ソチオリンピックの頃に読んだ、フィギュアスケートのミステリー。(おおっ)
スポーツの世界に絡むストーリーではあるのだけど、そちらの闇というわけではなく、やっぱりここでも人間ドラマ。
産休目前のマリアの個人的葛藤ももう一本の線となっていて、その辺りの繊細さがこのシリーズの魅力の一つだろう。終わった後の切なさが、良い意味で女性らしくて好ましい。

*-*-*-*-*-*-*-*-*

有川浩の「図書館戦争」シリーズも全巻読んだのだけど、これは別途感想を書く予定。(つまり未定……)



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  by wordworm | 2014-04-19 08:48

読書記録:2013年12月

ムーンズエンド荘の殺人

エリック・キース 「ムーンズエンド荘の殺人」

雪の山荘版「そして誰もいなくなった」という宣伝に惹かれて買ってみた。
うーん、やっぱりオリジナルというか最初は強いわけで。クリスティーを読んだ時の衝撃には到底及ばず。
加えて、「そして誰も…」を読んだ後の数十年で、いろんなミステリーのパターンを読んでしまっているからなあ。
でも、それを差っ引いても、もうちょっとインパクトが欲しかった、という作品。


迷宮の淵から

ヴァル・マクダーミド 「迷宮の淵から」

お気に入りシリーズの著者であるマクダーミド、これは単発のノンシリーズミステリー。
複雑に入り乱れる事件と伏線も見事だし、登場人物も魅力的。骨太で勢いのある内容は、さすがの力量である。
完全にすっきり、という読後感ではなかったにしても、ラストの一文の「こうしてすべての幕が降りた」に十分納得。一番気になっていたことにきっちりと言及してくれたことに感謝する。


金星特急 外伝

嬉野君 「金星特急 外伝」

大好きなライトノベル、とうとう最後の最後。
アマチュアの頃からずっと応援している作家さんだけど、プロとしてこれだけのものを書かれるところ、ファンとして感無量。(勝手に)
外伝として、本編で語られなかったサイドストーリーや、その後の話が揃っていて、金星特急の世界がこれで完成形になったのだが。揃ってから見てみれば、改めて本当に素敵な世界の物語だったなあ、としみじみ胸が熱くなる。
嬉野先生の次の作品が待ち遠しくてたまらない。


夜明けのフロスト

R・D・ウィングフィールド、他 「夜明けのフロスト」

クリスマスを題材にした短編ミステリー集。大好きなフロスト警部シリーズの短編が読めるということで買ってみたが、他の作品も佳作揃いで楽しめた。
ナンシー・ピカードの作品が入ってたのは嬉しい驚き。やっぱり上手いなあ、と唸ってしまう。
フロスト警部は期待に違わず。短編として見事なまとまり方、と思った後で、考えてみれば長編も、短編が幾つか集まっているような形ではあるのだな。そういう意味では本領発揮(?)と言っていいのかも。


新艦長着任! 新艦長着任!2

デイヴィッド・ウェーバー 「新艦長着任!」(上下)

久々にスペースオペラを読みたくなって、クラシックなこのシリーズに手を出してみた。
当初の予想より、ずっと奥が深かったというか、シリアスな物語。でもエンターテイメント要素も満載で、とても楽しめた。
舞台は宇宙でも、繰り広げられる核にあるのは人間ドラマ。オナー・ハリントンの苦悩と決断に一喜一憂しながら、SFの世界を満喫できる。
これは続きも買う。買う。


死を哭く鳥

カミラ・レックバリ 「死を哭く鳥」

3作目まで読んだミステリーなんだけど、4作目の今作の評判がイマイチだったので、ずっと買っていなかった。ようやく読んでみて、その評価が当たっているところもあり、面白いと思ったところもあり、という感じ。
シリーズなので主人公達のドラマも楽しみの一つであるわけだけど、確かに今回はエリカの活躍がなく、残念な感はある。が、ラストで、こうくるか。
次を買わなきゃどうしようもないなー、と思いつつ、どうか期待はずれに終わらないように、と願うばかり。


㈱貧困大国アメリカ

堤未果 「㈱貧困大国アメリカ」

「アメリカとは」という本に手を出す気はなかったのだけど、こちらに関してはぜひ読んでみたくて購入。
三部作の最後は、アメリカの食品関連業界の話がメイン。ある程度は予想していたが、データと共に更に厳しい現実を突きつけられて、頭を抱えるばかり。
1% vs 99%。この事実を悲しいと思い、またそう思う余裕のある自分を責めてしまうのが、この手の本を読む上で覚悟していなければならないこと。
1・2作目も読みたいが、読んだところでどうすれば、という思いもまた。
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  by wordworm | 2014-01-21 09:31

読書記録:2013年11月

ケイト・グリーン 「砕けちった月」

ブッ○オフで見つけて買ってみた。
霊能力のテレサが幻影で死体を発見し、以降次々と、という筋立てなので、タトットカードとか透視とか、その類のことに沿って展開されるストーリーは、ちょっと好みからずれてたか。
最後の最後まで繰り返されるどんでん返しで、どきどき・はらはら度は高し。でも、後味すっきり、とはなぜかいかなかったな。


ダークサイド

ベリンダ・バウアー 「ダークサイド」

前作「ブラックランズ」と同じ村で起こる悲劇。今度は別の主人公だけど、前の主人公のスティーヴンも少しだけ出てきて、彼のその後を知ることができたのは、思いがけないごほうび。
で、前作もそのケはあったけど、更に”ダーク”な今作。まさかね、え、ち、違うよね、なんてわなわなしながら読んでいたら、やられた……と打ちのめされてしまったよ。
救いがないような気もしながら、それでも読んで良かったと思わせるバウアーの力量に、再度感服。


脳のシワ

養老孟司 「脳のシワ」

月に1冊、養老先生。(え)
いつもの通り、時事的な事柄や科学的な疑問について、淡々と語ってくださる本。
多くのことについて、「先生らしい」と思って拝読してしまう理解と説得力がさすがです。


冬のフロスト 冬のフロスト2

R・D・ウィングフィールド 「冬のフロスト」(上下)

大好きなフロスト警部シリーズ。今回も人手不足の中、あれもこれもと押し寄せる事件に大奮闘。
下品で粗野で、でもあったかいフロスト、ほんとに好きだー。
思い込みや勘違いも多いけど、それでも最後には違わない、彼の”勘”。落ち込みつつ、自分を責めつつ、それでもユーモアを忘れない。
あと長編の未訳は一つ残っているだけか……早く読みたいやら、まだまだ先であってほしいやら。


消滅した国の刑事

ヴォルフラム・フライシュハウアー 「消滅した国の刑事」

2003年のドイツが舞台。東西統一から長く経ってないが故にありうる悲劇。
ナチスについてもそうだけど、どれだけ多くの人が心身に傷を負っているのかと思うと遣り切れない。子供の頃の傷でさえ癒えるのに数十年かかったりするのに、大人になってからのパラダイムシフトが、そう簡単に落ち着くわけがない。
心から責められない犯罪を扱ったミステリーは沢山あるけれど、これもまたその一つ。


世界樹の影の都

N・K・ジェミシン 「世界樹の影の都」

前作「空の都の神々は」から続いているのだけど、これまた別な主人公。でも前作で人の身に堕ちたイテンパスが主役級の一人。
良くできたファンタジーだなあ、とまた思う。魔法が荒唐無稽にならない描写に安心する。
それは、神はやっぱり神として描いているところに理由があるのかも。


ファーザーランド

ロバート・ハリス 「ファーザーランド」

ナチが大戦で勝利していたら、というパラレルワールドでのミステリー。歴史ミステリーが大好きな反面、実はこういうのも好きで、少しずつ読んでいるところ。
いくらパラレルのフィクションといっても、史実をきちんと押さえていないと意味がなく。きちんとした架空歴史が説得力のあるストーリーを生んでいる。
ラストについては賛否両論であるようだし、私も完全満足とはいかないけれど、それでもアリではある。ある。(言い聞かせ中)


殺人交叉点

フレッド・カサック 「殺人交叉点」

読んでみて、うわあ、やっぱりフランスのミステリー、とちょっと脱力。
や、面白いんだけど、斬新なんだけど、ほんとにフランスだね、と言わずにいられないのが、フランス産ミステリー。(しつこい)
中篇2作の本なので、適度なところで終われるのも良し。
そういえば先日、フランスミステリーが世界に広まりにくい理由みたいなブログ記事を読んだけど、あー、わかるなー、と思ったんだよね。映画もそうだけど、なんと表現したらいいのかわからない、独特のストーリー運びやキャラ&背景描写がね。
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  by wordworm | 2013-12-18 04:15

読書記録:2013年4月

クラバート

プロイスラー 「クラバート」(上下)

子供の頃から大好きなプロイスラーで、まだ読んでない翻訳本があると知って、大喜びで購入。
民間伝説を元にしているそうだが、彼オリジナルの素晴らしい物語に仕立て上げられていて、児童文学だからこそ、胸に真っ直ぐ届くメッセージに打たれる。
暗く、隠喩に富んでいて、読み終わった後も動悸が治まらず。


感謝祭は邪魔だらけ

クリスタ・デイヴィス 「感謝祭は邪魔だらけ」

コージーの新シリーズ、第一弾。食傷気味の形式であっても、手に取ってしまう……
米国に溢れる家事アドバイザー、アイディアだけでは仕事は来ないわよ、というアレコレも垣間見えたりして。
キャラも特別魅力的なわけでなく、ミステリーとしても中途半端な感があり、次巻以降はどうしよう。気軽に読めるのはいいんだけど。


RDG5

荻原規子 「RDGレッドデータガール5 学園の一番長い日」

とうとう定価で買ってしまった、文庫の5巻。最終巻の6巻の文庫化は、いつなのだ。
悪が完全な悪でなく、まだまだ学生レベルであったりするところも、楽しく没頭できるファンタジー。
うん、これってやっぱり、青春ストーリーなんだよね。(憧)


名著講義

藤原正彦 「名著講義」

日本文学をロクに読んでない私が、概略だけ知りたいというズルをしたかった、わけではなく、大好きな藤原先生の本だから。ほんとです。
武士道礼賛の姿勢を一貫して崩さない先生の姿勢も素敵だし、素直に読み解いて、素直に感動する女子大生の皆さんも好ましい。
日本の教育、本当に色々変えていくことができるのになあ、とため息。


ミステリ作家の嵐の一夜

G・M・マリオット 「ミステリ作家の嵐の一夜」

前作も面白かったけど、2作目も良かった、良かった。
なんというか、がん、と圧倒するより、細かい糸を沢山絡み合わせた迷路を歩くような、そんな雰囲気のミステリー。好きです。(親指立て)
これは、3作目の翻訳が待ち遠しい。新しく主要キャラになりそうな人も出てきたことだし。


チューダー王朝弁護士シャードレイク

C・J・サンソム 「チューダー王朝弁護士シャードレイク」

16世紀のイングランドで、かのクロムウェルに仕えるシャードレイク。
歴史ミステリに大変弱い私、今作もなかなかの面白さ。修道院とか大好物。
ただ、舞台設定頼りのところも否めず、ミステリーとしてはそこそこか。次作以降を読むとすれば、シャードレイクという人物の魅力と、彼を取り巻く時代背景が主な理由になるんだろう。
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  by wordworm | 2013-05-19 04:54

読書記録:2013年3月

葡萄色の死

マーティン・ウォーカー 「警察署長ブルーノ 葡萄色の死」

警察署長ブルーノ・シリーズ、第2弾。前作が面白くて、続きを楽しみにしていたのだが、期待に違わぬ面白さ。
チーズとワインを手作りするサン・ドニの、芳醇な空気まで伝わってくるような秀作。女性の書き方が、また良いのだな。
ブルーノという人物の過去がまだ明らかにされきってないことから、更なる続きに期待が募る。


モカマジックの誘惑

クレオ・コイル 「モカマジックの誘惑」

このシリーズも、とうとう10作目かあ。とってもコージーでお手軽なのに、芯がしっかりとミステリーなので、飽きることなく読んでしまう。結構読み返したりもしてしまう。
さすがに、付録のレシピを試したことはないけれど。(すんごくアメリカンなんだよ……)
登場人物の「今」が知りたい気持ちも手伝って、これからも読んでしまうんだろうなあ。


支配人バクスターの憂鬱

ケイト・キングズバリー 「支配人バクスターの憂鬱」

こちらも順調に、シリーズ5作目。ちょっとノスタルジックなイギリスの空気が好きで、やっぱり手にとってしまう。古本屋に出るまで待つけど。(殴)
今回の真相は、ちと切ない。同情の念もじんわりと。
それにしても、少しずつセシリーとバクスターの距離が縮まりつつあるなあ。これも手にとる理由の一つ。


肩甲骨は翼の名残り

デイヴィッド・アーモンド 「肩甲骨は翼のなごり」

児童書の範疇に入るのかな? カーネギー賞などの受賞作ということで、私もタイトルだけは記憶にあったのだけど、読んだのはこれが初めて。
純粋で、切なくて、光に溢れた、素敵なお話。中華料理が好きな「天使」のお話。
サイドにミセス・マッキーの子育て観など、取り囲む石々も良いのだな。


護りと裏切り

アン・ペリー 「護りと裏切り」(上下)

発行の知らせを目にした時、マジで「待ってましたーっ!」と歓声を上げてしまったよ。
このシリーズの1作目が翻訳されてから、一体何年経ったことか。2作目と、この3作目の間に、それぞれ何年あったことか。(むせび泣き)
でもって、うんうん、相変わらず好みド真ん中ストライク。ビクトリア朝のミステリーは大好物だけど、中でもこのシリーズが一番好き。
さあて、4作目の翻訳を待つ間、これを何回読むことになるのかなー。(半分達観)


警視の偽装

デボラ・クロンビー 「警視の偽装」

こちらは、なんとシリーズ12作目ときたもんだ。本格派警察ミステリーで、しかもこれだけのレベルを保ったままというのは、実に大したものである。
それにしても、今度の事件も胸の痛いこと。ナチスって、一体どれだけ欧州に影を落としているんだろう。


クッキング・ママと仔犬の謎

ダイアン・デヴィッドソン 「クッキング・ママと仔犬の謎」

こちら、シリーズ16作目。負けました。(何に)
ミステリーとレシピの組み合わせは、このシリーズが最初の人気作だったんじゃないかなー。
謎解きの面白さも勿論だけど、これまた登場人物の「今」が刻々とうかがえるのが、また楽しくて。
苦労の連続のゴルディには、絶対もっと幸せになってほしいんだな。
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  by wordworm | 2013-04-19 03:51

読書記録:2013年2月

雲霧

池波正太郎 「雲霧仁左衛門」(前

久々の池波時代劇。とある本で、マイナーだけど、池波作品の中で一番好き、という文を読んで、ソッコーで買ってしまったよ。
ヒーローや勧善懲悪色は薄いが、だから面白い。芸術ともいえるほどの大盗賊一味と、執念と頭脳で対抗する火付盗賊改方の駆け引きで、手に汗握るドラマの連続。
ラストが、なんとも言えずにほろりとさせられるのは、さすが池波氏。


黄昏に

ヨハン・テリオン 「黄昏に眠る秋」

切ないなあ……北欧の良い面ばかりが取り上げられる昨今だけど、実はこういう場所の方がずっと多いのを忘れてしまいがち。
年老いた男と、娘と、行方不明になった孫。登場人物も限られた中で、過去と現在が交錯する。
正義が行われた、とは言い切れない結末に肩を落としつつ、それでもこうやって日々は続いていくんだろう、と思わせられる。


RDG4

荻原規子 「RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女」

先月の記録で、待てる自信はない、と書いた通り、すぐに買ってしまった、発売されたばかりの4巻。
まだまだじりじりさせられる展開だけど、一つ一つ、布石が確実に置かれているような感もあり。
5・6巻が怒涛の展開になりそうで、あああ、早く続きが読みたい、読みたいのだ。


魔法無用の

シャンナ・スウェンドソン 「魔法無用のマジカルミッション」

これも、大好きなシリーズ。今までの巻も、何度も読み返しては飽きないまま。
前の巻で、オーウェンが魔力を失って、シリーズが終わり?とハラハラしたけど、「セカンドシーズン」と銘打っての再開。アメリカドラマかっつーの。
でも、相変わらず楽しく、わいわい、どきどきと。且つ、今後のストーリーのプロローグのようで、また続きをわくわくしながら待つ。


アレクシア女史、女王 アレクシア女史、埃及

ゲイル・ギャリガー 「アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う」
          「アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る」


楽しかったアレクシア女史のシリーズも、これで完結。
プルーデンスはどんな子なんだろうと思っていたら、なるほど、こういう子だったか。
過去のあれこれもひっくるめて、大きな、大きな、大団円。
ちょっとはしょった気もしないでもないけど、いやあ、面白かった。爽快・軽快で、退屈しないファンタジー。
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  by wordworm | 2013-03-15 11:00

読書記録:2013年1月

RDG3

荻原規子 「RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた」

大好きな荻原さんの本で、先日完結編の6巻も発売されているのだけど、文庫の古本で買うまで我慢・我慢、と、ようやく3巻を購入。でも、待てる自信はあまりない。
2巻からあまり動いていないなあ、まあ夏休みのエピソードだから。
これがいつか、ぐわっ!と動き始めるのが楽しみで、楽しみで。


深い疵

ネレ・ノイハウス 「深い疵」

ドイツとナチスは、それこそ子供の頃から、なぜかずっと追っかけずにいられず。
こちらもナチの生き残りが絡むミステリーで、政府高官だのなんだのがしゃしゃり出てくるところが、完全に消え去ることのない歴史なのだなあ、と。日本も、きっと同じだよね。
その中で地道に、あくまで犯罪を起こした人間を追う警察が、地の塩で良い。
それでも、どうしたって悲しみを残さずに終われないのが、この歴史。


アレクシア女史、飛行船 アレクシア女史、欧羅巴

ゲイル・ギャリガー 「アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う」 
           「アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う」


ずっと前に1巻を読んで、軽く読めて面白いファンタジーだな、と止まっていたのだけど、ふと思い立って、2・3巻を読んでみた。
そしたら、やっぱり登場人物のあれこれが気になって、また続きが読みたくなっちゃうんだなー。
吸血鬼に人狼が当たり前に生きている、エリザベス1世時代の英国。私が嫌いなはずがない。
ラノベ感覚で読めて、楽しいシリーズ。


死せる獣

ロデ&セーアン・ハマ 「死せる獣-殺人捜査課シモンスン-」

どんどん邦訳されるようになった、北欧発のミステリー。また一つ秀作が読めて、とても嬉しいよ。
どちらが悪か?というのは、常に問いかけていかなければならないこと。
たとえどういう理由があろうと、「人殺し」は悪である。そういう規範をもうけてないと、警察を続けていくのは難しい。
事件が個人的な範囲にとどまらないところ、それでいて、あくまで個人的だったところ。切ないミステリー。


毒の目覚め

S・J・ボルトン 「毒の目覚め」(上・下)

前の「三つの秘文字」が印象深かったので、すぐに飛びついて買ってみた。
前作より洗練されていて、読みやすくなっていたものの、最後までいくと尻つぼみっぽくなってしまうのは、前と似ていて、ちみっと残念。
でも十分に面白かった。早く次も翻訳されないかなー。


真鍮の評決

マイクル・コナリー 「真鍮の評決」(上・下)

こちらも1作目がすごく面白くて、さすがコナリー!と思って、2作目も買ったパターン。
最初に、えええ、あの後そうなってたのー、というびっくりをさらっと流して、新しいストーリーが始まるよ。
今回もどんでん返し続きで、はらはら・どきどき。弁護士って、こんなに頭が良くないとやってられないのね……生まれ変わっても無理な自分。


ローラ・フェイとの最後の会話

トマス・H・クック 「ローラ・フェイとの最後の会話」

クックの作品は、ミステリーという分類に入れていいんだかどうだか、いつも迷う。
切なく深い人間ドラマがどんと真ん中にあって、それが素敵なので。
この本も、しみじみ切なく、でも温かく。
ラストは、甘いのかもしれないけれど、素直に嬉しかったなあ。


彼の個人的な運命

フレッド・ヴァルガス 「彼の個人的な運命」
  
フランスのミステリーというと、私にとってはヴァルガス。大好き。
このシリーズも3作目になって、毎回重きを置かれるキャラは違うけど、三聖人+1人の名グループは変わらず優秀で楽しい。
彼らあってこそのシリーズ、なんだよね。当たり前だけど。
彼の個人的な犯罪にならなくて、本当に良かった、しみじみ良かった。
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  by wordworm | 2013-02-20 03:11

読書記録:2012年11~12月

心臓に毛が

米原万里 「心臓に毛が生えている理由」

大好きな米原さんの本も、いよいよこれで最後かも。
頭が良いということ、知識と教養があるということの、見本のような方。
どの本を読んでも、ただただ惜しくて辛い。


管見妄語

藤原正彦 「管見妄語 大いなる暗愚」

いつ読んでも、どれを読んでも、安心して楽しめる上手さの藤原氏。
考えてみれば、今まで彼の文でつまらないと思ったものはないかも。
変わらない奥様の描写、最後の一言。キレのある文調で、これからも書き続けていただきたい。


空の都の神々は

N・K・ジェミシン 「空の都の神々は」

時空が重なり合って平行して語られるので、ちょっとわかりにくい面もあるけれど、世界観が新しい。
人間らしい神々や毒々しい貴族達の人物像も、深みがあって面白い。
ただ、クライマックスの盛り上がりは、今ひとつ。


この声が届く先

S・J・ローザン 「この声が届く先」

大好きなシリーズの、記念すべき10作目。
これだけ続いているのに、全く飽きさせることなく、むしろ緻密さを増しているのが、本当にすごい。
特に今作では、誘拐されたリディアの救出劇なので、そのスリルは並じゃない。
解説の「ライバルはジェフリー・ディーヴァー」という言葉も、あながち大げさじゃないよ。


アイアン・ハウス

ジョン・ハート 「アイアン・ハウス」(上・下)

相変わらず上手い!の一言のジョン・ハート。
ハードボイルドで義理人情で、愛と哀しみのサスペンス。(なんのこったい)
ベタな設定のようで、完全にオリジナルであるところ、唸るしかない。


裁きの曠野

C・J・ボックス 「裁きの曠野」

シリーズ5作目の今作に至るまで、少しずつ趣を変えてきた感がある。
なのだが、主人公ジョーの頑固一徹ぶりとか、家族への愛とか、そういう根幹は変わらない。
だからこそ、最後の一言が重くてならない。ほんとに、次はどうなってしまうのか。
個人的にファンなネイトが、再び登場したのは嬉しかったな。


特捜部Q-檻の中の女-

ユッシ・エーズラ・オールスン 「特捜部Q-檻の中の女-」

巷で大人気な上、マミィさんもお気に召されたとのことで、ずっと読みたかった一冊。
期待に違わず、や、期待以上に面白く、ページをめくる手が止まらなかったミステリー。
最後の最後まで、心臓をぎりぎり絞られるような感が続いて、最後は心筋梗塞になるかと思ったよ。
2作目以降のレビューがイマイチのようだけど、1作目でこれだけの出来なら、確かに後は難しいよなあ。


すべて死者は横たわる

メアリー・W・ウォーカー 「すべて死者は横たわる」

シリーズ4作目。1~3作目までは結構リアルタイムで読んでいたのに、4作目が出ているのをずっと知らなくて、ようやく気づいて購入……発行は98年だって。(くらっ)
と言いつつ、読んで良かった。モリーがずっと囚われていたことの決着が、こういう形でつくなんて。
彼女のこれからが、心安らかなものであればいい。


二流小説家

デイヴィッド・ゴードン 「二流小説家」

読み始めはそれほど、だったのに、いやもう、こんな展開が待っているとは。
二転三転、まだか、これでもか、みたいに、思いっきり揺さぶられまくりで終わったよ。
なかなかその感覚が消えなくて、別なミステリーにはしばらく手を出せなかった。


吊るされた女

キャロル・オコンネル 「吊るされた女」

これも、ずっと続けて読んでいるシリーズなんだけど、いまだに好きなのかどうか、はっきりしない。
というか、ストーリーもキャラもとても好きだし感嘆するんだが、主人公のマロリーがあまりに特異すぎて、なかなか感情移入できないのが原因なんだよね。
それでも読むたびに、オコンネルの力量を見せつけられて圧倒される。
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  by wordworm | 2013-01-09 04:37

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