魔術師ベルガラスシリーズ全3巻・女魔術師ポルガラシリーズ全3巻


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ディヴィッド&リー・エディングス著、宇佐川晶子訳
魔術師ベルガラスシリーズ
  「銀狼の花嫁」「魔術師の娘」「王座の血脈
女魔術師ポルガラシリーズ
  「運命の姉妹」「貴婦人の薔薇」「純白の梟
早川書房 (2005/12)

「ベルガリアード物語」(全5巻)のサイドストーリー。

「ベルガリアード」で、主人公のガリオンを常に支える存在のベルガラスと、彼の娘のポルガラ。遥か昔、神々の戦いが始まる前より語りは始まる。神々の時代からガリオンの誕生まで、なんと約7千年分の前史の物語だ。
それを壮大な力を持ちながらも自己顕示欲が非常に強く、酒に目がないベルガラスと、常に棘と皮肉を忘れないポルガラの視点から描くのだから、通り一遍の歴史語りで済むはずもない。

ベルアリアード自体、かなりの長編で、登場人物も国も結構な数で、あれ、これは誰の国だっけ、と地図や解説で確認することが何回もあり(私だけか)。同時に、そこまでして読み進めても、どこか理解し切っていないという感じがぬぐいきれず、結局5回ぐらい読み返す羽目になった。
しかしそれより早く、こちらの前史を読めばよかったかと、6冊読み終えた後でしみじみ思う。ベルガリアードを補足して余りある内容が詰め込まれている。

元より、ある物語を視点を変えた形で読むのは好きだ。1本読んだ時にあれやこれやと想像する、それにまかせるのも楽しいけれど、より深くその世界に入って理解できる。それが最初に想像した通りであれば、また好みの語り口であれば尚更だ。
この前史6冊は、ベルガリアードだけでは知りえなかった新しい事実を多数加え、またベルガラスとポルガラを取り巻く登場人物達を、一段と魅力的に描いていて、ベルガリアードを数倍厚味のあるものとしている。
こういうことだったのか、という驚きと、こんな感情が裏にあったのか、という納得と。随分と知ったような気でいたものを、改めて別な側面を見せてもらえるというのは、今シリーズに関しては大当たりに楽しいものだった。

加えるならば、ベルガリアードはディヴィッド単独の書とされていたが、このシリーズから、実は妻であるリーとの共著であることを公言している。だからこそ、と思える女性キャラの描写の細やかさにまた納得。
何回読んでも新しい楽しみが見つかるというのは、実はなまじな長編では成しえない業である。読み終えて感想を書いた本は”読了”棚にしまうのだが、このシリーズに限っては、まだ”未読”の棚に置かれている。

 
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  by wordworm | 2006-11-30 06:35

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