「看護婦だからできること」
宮子あずさ著
「看護婦だからできること」
集英社 (1999/04)
ISBN-13: 978-4087470451
現役看護婦である氏が、3Kと言われる看護婦の仕事について楽しく語ったエッセイ。
どこをどうとっても大変としか思えない看護婦の仕事だが、なんとも当たり前のようにこなしておられることに驚嘆する。
病院にいる病人はどうしたって性格の弱い部分が出やすいもので、そのような苛立ちや八つ当たり、泣き言をぶつけられ、しかしその人に看護という形で奉仕するというのは、エゴイストを極める私がどう考えたって、あまりにアンフェアであると思うのだ。
しかし極端に大きくくくれば、例えば営業だってそういう仕事であるわけで。それでも尚且つ看護婦が大変と感じる理由は、それが人の生死に関わる仕事であるからに他ならない。
そんなことまで!?というエピソードを、楽しい口調で語ってくれるあずささん。しかしそれを、毎日のことだから感覚が麻痺しちゃってるんじゃないか、と見るのは違うだろう。
崇め奉るのも憐れむのも同情するのもふさわしくない看護という仕事について、少しでものぞいてみたい人にお薦め。
by wordworm | 2005-06-14 07:09