「魔法の王国売ります!」

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テリー・ブルックス著、井辻朱美訳
「魔法の王国売ります!」
早川書房 (1989/05)
ISBN-13: 978-4150201241


ランドオーヴァーシリーズ1巻目。

妻を亡くして以来、生きる気力を失っていたやり手弁護士が、広告を見て魔法の国を買い取り、王になるというファンタジー。ユーモアで笑わせるのかと思いきや、気骨のある主人公が必死に頑張るストーリーで、なんかアメコミヒーローっぽい色合いも。

この本では、異世界からやって来た彼が、様々な困難を経て王と認められるまでとなっており、実際の国を立て直す苦労は次巻かららしい。わくわくととても楽しめたので、次も手に入れてみよう。

実際問題、私たちのような便利な世界に慣れきってしまった人間という動物は、異世界でどれだけやっていけるものだろうか。
そう考えるに思い出すのが、タイトルは忘れてしまったがレイ・ブラッドベリによる短編で、現代の一兵士が中世辺りの部族のところまでタイムスリップするという話。
自分で火を起こすこともできない(ライターがあるので)、狩りをすることもできない(銃しか知らないので)、食料を集めようにも知識もない(スーパーで買えばすむので)という状態の彼は、役立たずで大言壮語な人間としてすっかり皆に見放されてしまい、最後には殺されてしまうという、大変アイロニックなストーリーだった。

種族としてそういうものになってしまった人間であっても、だからこそ不屈の意志も持ちうるという夢を、ランドオーヴァーで見ていたいものだけど。
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  by wordworm | 2005-01-15 11:10

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