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「パーフェクト・ブルー」

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宮部みゆき著
「パーフェクト・ブルー」
東京創元社 (1992/12)
ISBN-13: 978-4488411015


今頃?と笑われそうですが。(もじもじ) 最近彼女の本にはまっているという友人夫妻が貸してくれたもの。

ミステリーばっかり読んでいる自分だが、なぜか日本人作家のミステリーが苦手で、あまり読んでいない。宮部みゆきも「模倣犯」を読んだことがあるだけだが、ちょうど猟奇殺人だの心理分析官だのがマスコミでブームで、そのわりに有効な意見が聞けなくてやれやれと思っていた頃だった。
そんな中、彼女は登場人物の一人の口を借りて、自分の意見や視点をきちんと打ち出していて、随分すっきりと読み終えた覚えがある。

さて、そんな彼女の処女長編の本書。まずは設定が面白く明るい。探偵事務所の犬の一人称で書くことで、登場人物それぞれが身近な味わいで描かれている。一つでは終わらない事件、一つずつ皮を剥いていくたびに見えてくる全貌。扱う事件の野球のように、それぞれのポジションにふさわしい人物が配置され、コンビプレーや敵対行動。野球が一人ではできないゲームであるように、事件も人と人が関わり合うからこそ起こりうる。

「模倣犯」と同様、今回も最後にポンと手を打ちたくなるようなセリフがあった。それに賛同するかどうかは読者次第であるが、作者の言いたいことを明確に出す、その姿勢にまず好感を持たずにいられない。
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  by wordworm | 2005-03-23 07:55

「魔術師の大失敗」

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テリー・ブルックス著、井辻朱美訳
「魔術師の大失敗」
早川書房 (1990/05)
ISBN-13: 978-4150201388


ランドオーヴァーシリーズ3巻目。
今回は、いつも失敗ばかりの宮廷魔術師クエスターが中心。またもやミスった彼は、宮廷書記を現実のアメリカに飛ばしてしまい、彼をランドオーヴァーに戻すべく、皆でてんやわんやの大騒ぎ。

1・2巻と、”自分を強く信じること”がテーマになっているこのシリーズ、3巻でも根本の主張は変わらないように思える。主人公が元辣腕弁護士ということもあって、登場人物が色々と打つ手は腹芸や裏芸、言葉の探りあいが多いのだが、それだけでは9割までしか進まない。最後に難局を打破するのは、いつも心からの一言であったり、無償の信頼であったりするところに、作者のテーマがあるのかなと。

主要キャラは変わらないまま、また一つランドオーヴァーが確固たるものになっていく。一旦は滅びかけたこの王国、巻を進めるごとに色の数が増えていくようだ。
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  by wordworm | 2005-03-16 08:08

「黒いユニコーン」

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テリー・ブルックス著、井辻朱美訳
「黒いユニコーン」
早川書房 (1989/12)
ISBN-13: 978-4150201333


ランドオーヴァーシリーズ2巻目。
前作で魔法の王国ンドオーヴァーを百万ドルで買い、王になったベン・ホリディ。今度はかつての宮廷魔術師が罠を仕掛けてきて、王座を取り上げられる話。

前回、いかに自分を強く信じるかという気持ちの強さでもって、王の座を勝ち取ったベンは、今度は目くらましの魔法と戦うことになる。「物事の真実を知りたいなら、自分を見極めることだ」との妖精界の猫の言葉。鍵は全て自分の中にある、とのテーマは、前作と変わらない。ランドオーヴァーという国に降りかかる試練を通して、ベンという都会から来た人間が、今までは必要のなかった別な部分を成長させてゆく。

一体、私達の生きているこの世界が現実なのか、それとも膜のようなものを隔てて、実は別な世界と重なり合っているのか。私達がそれに触れるやり方を忘れてしまっただけなのか。
こんな風にふと思ったら、それはもしかして、気づかないうちにユニコーンがそばを通り過ぎたからかもしれないね。
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  by wordworm | 2005-03-11 08:11

「レモンメレンゲ・パイが隠している」

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ジョアン・フルーク著、上條ひろみ訳
「レモンメレンゲ・パイが隠している」
ソニーマガジンズ (2004/10)
ISBN-13: 978-4789723930


クッキーショップを経営するお菓子探偵ハンナのシリーズ、第4弾。
彼女の友人が買った家で、元の持ち主の死体が発見され、そのそばには彼女の作ったレモンメレンゲ・パイが。という感じで、事件とお菓子がいつも密着、おいしいシリーズになっている。
他にもこの手の料理探偵シリーズの類も読んだけど、それぞれレシピが数点ついていて、料理好きな人には2度おいしいのだろうな。このシリーズにも、毎回クッキーやマフィンなどのレシピがついているのだが、出来上がりがクッキー10ダース分とかなので、分量を計算するのがめんどくさくて作ったことはない。でもレモンメレンゲ・パイは大好物だし、ちょっとやってみる気になりつつあったりして。

ダイエット中に読むのはつらいかなあと思ったけど、読み始めて安心しました。

主人公もダイエット中でした。
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  by wordworm | 2005-03-09 08:14

「死、ふたたび」

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シルヴィア・マウルターシュ・ウォルシュ著、横山啓明訳
「死、ふたたび」
早川書房 (2004/12)
ISBN-13: 978-4151750014


歴史小説を書いていた男性が不審な死を遂げ、主人公の女医がその小説に鍵があるのではと疑いながら巻き込まれていくストーリー。

構成が面白く、本筋の合間に、彼が書いたとされるロシア大公妃エカテリーナや英外交官、ポーランドの伯爵の小説が挟み込まれていて、それだけを抜き出して読んでも十分に面白い。主人公の亡夫がユダヤ人なので、その母の収容所での体験や、ポーランドの国事情など、色々と背景は奥深い。ミステリー自体は単純な謎だが、サイドストーリーが重なり合って重さを出している。

久々にまたエカテリーナの本でも探してみようかと考え中。
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  by wordworm | 2005-03-05 08:16

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